学校に着くと春とはお別れ。
クラスによって校舎入り口が違うのだ。
廊下を履き慣れたサンダルで歩くと奥の方で人が腕を振ったかと思えばダッシュで、

「ごふっ!」
拳が腹に直撃した。

「おっはよ~悠!」

「おはよ、留衣……いきなり腹にパンチはやめて、口からキラキラ出る」

「えっ!?軽くやったつもりなんだけど!?」

「ソフト部の軽くが分からない……」

「……」

「いたのか優菜」

「さっきから居たわボケ」

「すんません、留衣の攻撃に見悶えてました」

「ちょ、ひどっ」

「あ、そうだ優菜」

「ん?」

「ほれ、借りてた本」

「あー、次のやつ忘れた」

「まじか」

「何読んでたの~?」

留衣は1年のとき、優菜は私と同じ好みをしていると直感で話しかけたら2人とも仲良くなった。
留衣はいつも笑っていて春とも仲がいい。
優菜は私とよく一緒にいたりする。

「あ~!!ゆーう!留衣~!優菜~!」

「「「げ……」」」

「何その反応~!!」

「いや、朝から元気だなぁ、お前は」

「すごいでしょ~!?」

「てか声でかい」

「ひどいっ、みんながいじめるよ~お姉ちゃ~ん」

「誰がお姉ちゃんじゃ」

「えっとねぇ、優菜はお姉ちゃんで、留衣は双子の妹で、悠はお父さん!」

「えー、私理緒の妹なの?」

「ちょっと待て、なぜに私が父?」

「てか、理緒のお姉ちゃんってやだ」

「いいのっ、決まってるんだから!」

「ま、いいか」

「そうだね、もう恒例行事だしね」

「もうめんどくさい」

「みんなひどいよ~」

理緒が混ざることで何故か3人の息が合うのが不思議。
もちろん本気で理緒のテンションの高さをみたいな嫌がってるわけではない、と私は思う。
嫌がっていたら1年間一緒にはいれないだろうから。

「んじゃ、教室戻るから」

「わかった、じゃあね悠。二人もまたね」

「……」

「じゃたね~!」

こうして私の学校生活はいつものように今日も始まっていった。