陶器の骨壷に、会葬者は次々に骨を入れていった。細長いものや弱々しく小さいものもあった。しかしその骨には、新たなる生命の息吹さえ感じられた。

 私達は後から来て、本来は最後方のはずなのだが、親切な人が私達を前に入れてくれた。そしてそこから、一つ一つ丁寧に入れられる瞬間を、まじまじと見ていた。

 私達の番に来ると、右手に鉄の箸を持ち、骨を両バサミして、骨壷に入れる。骨壷は母さんを誘うように底が暗かった。骨を入れる時、私は少し躊躇した。それと同時に要も止まった。やはり要も同じ気持ちであった。この骨を入れると、もう母さんとは会えない、そう思ったのだ。

 しかし入れないわけにはいかなく、結局は入れてしまった。もう母さんとは会えない。そう思うと、私の頬には涙が滴っていた。しかしもう会えるわけではない。また会えることを信じて、最後に骨壷を見つめた。火葬場を出るまで、私は歩みを止めなかった。

 火葬場を出ると、要は私を抱きしめた。

 その時、この空の下で生きている喜びと愛を感じられた。今、私たちの他に抱き合っているのは何組いるのだろうか。

 私はそう思いながら、要の腕の中で眠るように息をした。