君の背中を見つめる恋

中山が無心でゆっくりと
自分の席に着いた。

ポケットからスマホを
取り出して。

ぶら下がってるロケットを開く。


『2年で帰ってくるから、待っててね。これ、その約束』


「………」


中に入れてある写真を見つめて、

唇を噛み締めた。


ロケットを握る手に力が入る。


自分の気持ちが分からなくて、

こんな中途半端な自分に
腹が立つ。


「………明日香」


小さく消え入るように呟いた名前。

俺は、

笑顔で迎えて
あげられないかもしれない…