君の背中を見つめる恋

はぁ、はぁ…


屋上へ繋がる階段の踊場で、

香乃が足を止めた。


シ…ンとした廊下。
追ってくる気配は、ない。


「………っ」


息を整えながら
階段にストンと座った。


何で、あんな…
あんなこと言うの…?


中山くんの言葉は、

どれも怒ってるようにしか
聞こえなかった。


そしたらまたあたしの頭は
自分の都合よく受け入れてしまう。

もしかしたら、

ヤキモチだったのかなって…


────そんな、訳…ないのに。

「ほんと、あたしって…」

何でこんなに馬鹿なんだろう。