ジンジンと痛む手。
手の甲に内出血が出来ていく。

中山がぎゅっと
その手を反対の手で握りしめた。


「いってぇ…」


だけど、

こんなのよりきっと

仁科の方が傷ついて
心を痛めたはずだ…


「っ」


阿部の言う通り、

俺は明日香と仁科の間で
揺れてる最低な奴だ。


中学の………、

仁科に告られたあの時…

すでに俺は
明日香と約束をしてた。


だから、断ったんだ。


でも仁科は女友達として
1番だということは

どうしても転校前に伝えたかった。


なのに、

仁科に告られてから
それまでのように話せなくて。

すぐ転校になって……


俺は、

なぜか後悔したんだ。