「中山ー!行こうぜ!」

「おう!」


ビクッ…


その時、
男子が発した名前に

香乃の肩が────、小さく震えた。


香乃の瞳に映る
中山の姿。


あ、ダメだ……

今中山くんを見たら、
泣きそうになる。


「…っ」


あたしはパッと下を向いて、

自分の気持ちを誤魔化すかのように
鞄から教科書たちを机の中に入れる。


「………」


教室から出る時、
中山の視界にその様子の香乃が入って。

唇をキュッと閉じて
顔を下に向けると教室から出た。