王子様を愛していた人魚姫は、泡になって海へと消えていきました。


人魚姫の話しは誰でも知ってる。
悪い魔女や、口うるさいお父様。心配症のお姉さんたちももちろん、登場します。

でも、

まったく違う人魚姫もいてもいいんじゃないかな。


例えば……


人魚姫が泡になって消えた数百年後。
人魚も人間も互いに理解し合い、そして自由にいきていた。
恋愛もできるようになった。
人間と人魚の子どもができて、陸に上がれるようになった。
悪い魔女も年老いていなくなった。
優しい魔法使いが人魚に足をくれた。

望めば海へ、陸へ、と生活拠点を選べるようになった。

みんな幸せに暮らしていった。

人魚の子どもは20歳になる前に陸か海かを選択するようになった。

20歳の誕生日の夜、海へ入ると尾びれや水かきができて海の中で話せるようになる

陸に行くものは、もう二度と人魚には戻れない

これは、優しい魔法使いがくれた魔法、いや………呪い。

人間が人魚になるためには、愛する人とヒトツになること、
それ以外は禁忌とされているのであまり知られていなかった




そこからまた数百年後、

人魚の存在が当たり前になってからのお話しを書こうか………