4時間目。

あいつの姿はまだない。

まあいつも通りのことだけど、今日は何故か、見晴らしのいい左前の席に、いつも以上に視線を奪われた。


授業も相変わらずつまんなくて、俺は知らない間に眠りに落ちていた。


































『…ってねえ、話聞いてるの?』


……え?…ああ、うん、聞いてるよ。


(ここどこだ?……あぁ、学校の近くの道路か。ここ歩道ないくせに車がよく通ってあぶねーんだよな。)


『…もーいい。あのさ、ここのボスってどのパーティでいけば倒せるの?』


…しらねーよ俺そのゲームしたことねえ。


(なんでこんなとこにいんだ?………あー、これは夢なのか?それにしてはリアルで、しかも目の前には見たことのない服を着てる泉…)



『はあー?つかえな』



おい、うるせえよ。(笑)…ってお前また携帯見ながら歩いてるとあぶないだ………………っおい!!!前!!!!



『もおなに!いくらボス戦クリア出来ないからってあたしそんなドジじゃ…………え?』





































「泉!!!!!!!」



息を切らして泉に手を伸ばすと、俺はさっきまでの授業中の教室に戻っていた。

もちろん周りは俺を白い目で見てる。とりあえず俺は静かに伸ばした手と椅子から浮いた体を静かに戻した。



……なんだ、やっぱり今の夢か。それにしてもまじでリアル過ぎんだろ。しかも泉がトラックに轢かれる夢なんて、シャレになんねえよ…。


ふと、左前の席を見る。泉はやっぱりいなかった。




こんな不吉な夢、見させんじゃねえよ…。