帰りのHRが終わると、気づけば泉はいない。 いつも帰るのはえーんだよな、あいつ。バイトやら遊びやら忙しいらしいし。俺が入る隙間も何もないって感じ。 みんなにいつも笑顔な泉。みんなみんなに好かれてる泉。だけどたまにすごく寂しそうに笑う泉。そんな泉の全てが好きな俺。 「不毛…だな」 今日も自分に嫌気がさしながら、予定もないため真っ直ぐ家に帰った。 その夜、嫌な夢を見た。 目の前に広がるのは 泉の、紅く横たわる身体が、俺の足元に転がっている夢だった。