ブンキテン




「あ、着いたよ、ここ、ここ」

浅岡にいじめられながら歩いていたら、いつの間にか目的地に着いていたらしい。

駅前にトラックが出ていて、少し離れてベンチが幾つか置かれている。


「じゃあ、買ってくるから待ってて。足立さんは、カスタードたっぷりのいちごクレープ二つで良いんだよね?」

「……い、」

「え?」

「良いです!!」



ハアアアアアなに言ってんだわたし!!

素直に苦手だって言えよ!!!!

この、意地っ張りめ!!!!

もう完全にバレてるよ!!

隠したって意味ないよ!!



自分をとことん呪いながら、浅岡がカバンを置いたベンチに腰を掛ける。

あー空青い…

もうどうにでもなれ、と何かを悟った私はぼーっと5時の鐘を聞いていた。