ブンキテン





気づいたら、白い天井が見えて、左を向くと、日がちょうど沈んでいくところだった。


「気ぃついたか?」

天使…もとい、悪魔浅岡の顔が私を覗き込んだ。

「いやぁ…ッフ、それにしてもっクク、気を失うってッヘヘ、クッハハハ…!」

不謹慎にも笑始めるその憎いくらい整った顔にガンをとばす。

「マジふざけんな」

「ごめんって…ッフ…、もう今度からしねぇよッハハ クッククク…」

どうやら笑いが堪えきれないご様子。

「笑い死ね」

「あー面白かった〜!あと、足立さん意外と口悪いね」

「浅岡こそ、悪魔みたい」

「えー…、みんなからは…天使って言われてるのに…」

「うそくさ」

「なんだよ、これ俺の努力の塊なんだぞ」

「あーはいはい、目立つ人は大変ですねっと」

いい加減帰ろうとベッドから飛び降りて、近くにあったカバンをもつ。

「まぁな〜」

浅岡も立って自分のリュックを背負う。

「まぁでもありがと、原因があんたとはいえ保健室まで運んできてくれて」

「おう。 ……重かったけどな」

「クソダマレ」

「おお、怖い怖い」



悪魔浅岡は帰り道、とにかくよく喋った。

日頃のストレスを晴らすみたいに喋ってた。

多分、本当はすごくよく喋る人なんだろう。

話もそこそこ笑えた。