浅岡の本性を知ったのも、私の苦手なものに遭遇した時だった。
最初の委員会を終えて、二人で、下駄箱に向かっている間、浅岡は、まだ、天使だった。
「浅岡くんは、実行委員嬉しい?」
「い、いやぁ…俺はこういうの苦手だから…口下手だし…」
恥ずかしそうに苦笑する顔に、ズキューンとやられてしまった私は、だらしない顔でニヤニヤしていたに違いない。
「二人で頑張ろうね〜!!」
あわよくば、浅岡に押し付けてしまおうと思っていたのに、そんなことを言ってしまっていた。
「じ、じゃあ…男子こっちだから…」
下駄箱について、浅岡とわかれ、自分の靴入れを開けた。


