「泊まっ泊まってくなんて!
いいかい?
俺は男で君は女の子なんだよ?
泊まってくなんてピピピッピピピッ」

説教を遮る様な絶妙なタイミングで体温計がなった。

「いいよ別に泊まるくらい。
熱見せて。
37度6分か、ちょっと下がったな。
はい!病人はつべこべ言わず寝る!」


ものを言わせずに犬尾くんをベッドへ押し込む。

「別に私と犬尾くんがどうこう成るとは思えないし。
成るつもりもないから安心して寝てね?
あっ、風呂入りたい?」


「別にいい。
それから、遥希」

「え?」

「呼ぶとき遥希でいい」

そう言って布団を頭までかぶってしまった。

「うん。遥希くん
私も雅でいいよ。」

すると布団がもぞもぞと動いて

「遥希でいい。くんいらない。」