飼い犬に恋をした~始まりはいつも雨~



「って訳です」


壱があの雨の日のことを私に話した。


「先輩…照れてるんですか?」



「照れてるんじゃなくて!恥ずかしいの!」



「それって一緒じゃないんですか?」



「だから!犬に話しかけてるところとか…」



「俺は好きですよ」



「…っバカ」



「あ。照れましたね!」



「そんなんじゃ…ないから!」



「俺も照れるじゃないですかっ」



「もう、帰るから!」



「あ、送っていきますよ」



「別に大丈夫だから」