仕方ないので俺は学ランで雨をしのいで帰ることにした。
しばらく走ると
「くぅーん…」
鳴き声のした方を見ると
生後間もないような子犬が2匹ダンボールに入れられていた。
とても体を震わせていた。
俺は急いで近くのコンビニに向かって傘とホットミルクを買ってその場所に戻ろうと走った。
帰ってくると…高校生の女の人がその子犬の前にいた。
俺は、柱に隠れて様子を伺っていた。
すると、その高校生はカバンからタオルをとりだしてその子犬達を拭いてあげたあとに、
自分の着ていたカーディガンを脱いで掛けてあげていた。
そして、
「こんなことくらいしか出来なくてごめんね…」
そう言って自分の持っていた傘をその子犬達の所に置いていった。
その高校生が振り返った時、
俺は息が止まりそうになった。

