俺が目を開けると…俺の前にはサツキが寝息をたてていた。

『これって…』
俺は、恐る恐る前足をサツキのほっぺに当てた。
これが、“正夢”ってやつなのか…。噂でしか聞いたことなかったけど…。こんなに嬉しいものなのか。
あれ?俺の心臓の音が大きくなってる。すごく苦しい…。

するとサツキは急に俺を抱き締めた。
ヤベッ 息ができない…。
やっぱり…人間って力強いんだな…。
「…き。大樹!!」
キーン…耳がいてぇ…
『…なんだよー!!急に大声なんか出して!!』
俺は、文句を言ってサツキの服を叩いた。
すると、サツキは少しだけ力を抜いてくれた。それと同時に目を覚ました。
「あ…。ごめんね。急に大声なんか出して…。あと、苦しかったよね…ごめんね…。」
サツキの目からは涙が流れていた。
…おかしい…。もう絞められてないから、苦しくないはずなのに…胸の奥がズキズキする…。
それに、大樹って誰だろ…。
ってか…何で俺、こんなこと気にしてるんだろう…。

一体、俺の周りで何が起きているんだろう…。