少しガッカリして目を覚ました。すると、俺の視界に見たことのないものが写った。なんだろ…針金みたいなのが、透明な容器に刺さってる。容器の中には、液体が入ってるみたいだけど…。
臭いを嗅ごうとしても…体に力が入らない…。首の後ろを何かでつままれてるみたいだ…。

チクッ
『イテッ…』
多分だけど…さっきの針金が刺さった。
そして…刺さった所から何かが滲みてくる…。さっきの液体かな…。

「お疲れ様です…。よく頑張ったね~!!」
針金を刺したと思われるやつは、俺の頭をがしがしとこすった。これがこいつの撫でかたなのか…下手くそ…。

俺は帰りの道はカゴバッグには入らなかった。次はどこにつれていかれるか気が気じゃない…。
俺は、サツキの前をズケズケと歩いていた。
「ダージリン…ごめんね…おどかして。」
『なんだよ!!謝るなら最初から…』
俺が文句を言いながら振り返ると、サツキはすごく悲しそうな顔をしていた。
さすがに泣いてはいなかったけど…。
俺がキョトンとしていると、俺を抱き上げた。またカゴにでも入れるのか!!
…サツキはただそのまま俺を抱き締めていた。あれ?サツキの心臓の音が早い。

サツキに何かあったのかな…。