さっきから、サニーって誰?ってなってるやつのために、俺の過去を話す。
俺は、いつも通り喧嘩…負け続きでいた。
『大丈夫?』
俺が、力を振り絞って頭をあげると、そこには、長い毛並みのメス猫がいた。
『…なんだよお前。』
『あの、よかったら…これ。』
俺に何かを押し付けると、その猫は走っていってしまった。
俺が渡されたのは傷に効く薬草だった。

それから、サニーとの仲が始まった。
『あの…。コレ、お口に合うか…。』
『あぁ…ありがとう。』
サニーは毎日、俺に何か何か届けてくれるようになっていた。

俺は、少しずつ好きになっていった。

そんなある日、たまには俺からもプレゼントをしたいと思った俺は、目に入った蝶を追いかけていた。

くそッ…なかなか届かねえな…。

プーッ!
『え?』
音の鳴る方を見ると、トラックがものすごいスピードで近づいてきていた。

ダメだ…逃げ切れない!!俺は目を閉じた。
バン!
『…って…、あれ?』
俺は、誰かに押し飛ばされて歩道に倒れていた。
振り替えると…!!

『サニー!!』
サニーがさっきのトラックに引かれてサニーのしなやかな白い毛は真っ赤に染まっていた。

俺は、サニーに駆け寄った。
『サニー!!しっかりしてくれ!!』
『黒さん。私…あなたが好きでした。あなたのお役にたてて…幸せです…。』
サニーは力なく首を倒した。

『サニー!!サニー!!さに…、死ぬなよ…。』
俺は、泣いた。もう帰ってこない事なんかわかってたけど、泣いた。

しばらくすると、サニーと同じ匂いの人間の気配があった。
俺は、草むらに隠れた。

「サニー?サニーなの?ちょっと、ダメ!!いや!!」
その女の人は、声にならない声で泣いていた。

俺は…最悪なヤツだ…。
愛してるやつを守ってもやれなかった。
たった一言…『愛してる』とも言わないで…ずっと冷たくあしらって…。

…バカだな、俺。サニーがいなくなってから、この気持ちに気がつくなんて…。

いや…もう気がついていたはずなのに…認められなかった。自分が歯痒い…。