愛情の鎖


「ほら」


それから戻ってきた彼に、さらなる驚きをさせられた。


「えっ、…なに?」


手渡された白いコンビニの袋の中には何か食べ物らしき物が入っている。

見て、いいのかな…

そう思いながらも恐る恐る覗いて見ると、そこには透明なパッケージに入れられたショートケーキだった。



………へ?



「頭でも……打ったの?」


予想外の事が起きると、人って突拍子もない事を言ってしまうのかもしれない。

まさに今の私がその状況で、目の前で「は?」と顔を上げたコウさんに怪訝な顔をおもいっきり向けてしまったのは言うまでもない。

だって、ケーキなんてコウさんには釣り合わない。

イメージじゃないでしょ??


「なんか気持ち悪いんだけど……」

「……は?」

「これ、コウさんが買ったの?」

「だったらなんだ」

「気味が悪い……」

「はぁ?」

「なに、企んでるの?」


何かあるんでしょう。

きっとそうだ。

裏がありそうで、怖い。