愛情の鎖


前からイケメンだとは思っていたけど、ここまでとはね。その威力は近くで見ると破壊的だ。

尚更その容姿に魅了されてしまいそう。



「へへ、もしかして…引いちゃった?」


あまりに何も言ってこないから、次第に不安になってしまった。

やっぱり変だった?

ドン引きされてしまったんだろうか?

ま、無理もないよね。

急にそんなこと言われたらコウさんだっていい迷惑かもしれない。

それからしばらくコウさんの様子を伺っていたけれど、何の反応もないから私は諦めて視線をそらし、最後の線香花火に手をかけることにした。

……すると、ずっと無言だったコウさんが突然ポケットから煙草を取り出し、何故かゆっくりと立ち上がったのだ。


「いや……別にいいんじゃね?」

「え?」

「ただ、俺にそんなこと言うなんて変な女…とは思ったけどな」


そう言って、煙を意味深に宙に吐き出し、私に向かって目を細めてくる。

その表情はやけに面白みを含んでいて、まるで興味深いものを見るかのような、そんなドキリとする視線だった。