愛情の鎖


「えっ……」

「こんな所でなにしてる?」


意外な人物の登場に言葉を失う私。

目の前には確かにマンションの隣の住人、あのコウさんがいた。

なんで?どうして?

そう思った瞬間、私は再びハッと我にかえり、コウさんの腕を引っ張り岩陰に引き寄せた。


「しーーっ」

「……は?」


とりあえず今は身を隠したほうがいい。

なんだか危険な香りがする。

そう思い不思議そうな顔をするコウさんを無視して私は「いいから」と彼を道連れに岩陰に身を寄せる。


「今は何も聞かないで」

「……え?」

「バレたらマズイ……」


とにかく今は気づかれないようにするのが一番だと思う。

第一コウさんとこんな風に話してる所を見られでもしたら、それこそ話がややこしくなりそうだと思うし…