愛情の鎖


「ふふ、コウさんの背中あったかいです」

「………」

「もっとぎゅうってしていい?」

「ーーて、こんなもんで満足かよ」

「……えっ?」


その瞬間私の体はあっという間に半転した。

私の両手を掴んだコウさんが突然私を引き離し、車の車体に私をそっと押し付けたから。


「梨央がそこまで言うんなら、もっとあっためてやろうか?」

「…えっ……」


彼の反撃が始まったのだと思った。

よーく考えたら彼は黙って私にやられっぱなしのタイプじゃない。知ってたけど彼はとてつもなく食えない男なのだ。




「えっと……」


ギラリ危険な瞳で見つめられるとすぐに私は恐縮する。

酔ってたとはいえ、かなり大胆なことをした自分が急に恥ずかしくなった。

それは至近距離で見つめられると尚更のこと。


「…あの、酔っぱらいのやること……ですよ?」

「だからたちが悪いんじゃねーか。悪気なく平気で俺の理性を脅かすなんて、まったくいい度胸だな」