愛情の鎖


再び私の隣に座ったコウさんが新しい煙草を加え、視線は前に向けたまま私にポツリと低い声で言った。


「つーか他には?」



「えっ?」

「他に言いたいことがあるならこの際あの男に伝えといてやるけど?」


そう言って私の動きを止まらせる。

私はそんなコウさんに向かって一瞬喉からある言葉がでかかったけれど、目の前には面白そうに私達を見る弦さん。

この場の雰囲気ではやっぱり言いがたい気恥ずかしを感じた私は、ギリギリのところでゴクリ、その思いを飲み込んだ。


「……梨央?」

「あ、うん、もう特には…ない、かな」


へへっと笑ってその場をやり過ごした。

ヤバイな、本当にこれ以上は飲まない方がいいのかもしれない。

危うく変なことを口走ってしまいそうで、自分でもセーブがききそうにない。

だってコウさんに出会わせて貰えたことは感謝してます。だなんて、

不謹慎だけど、宗一郎さんが私をあのマンションに住まわせてくれなかったら今こうして私はコウさんと一緒にいなかった。

そう思うとそれだけはありがとうって感謝したくなってしまう私は相当ヤバイのかもしれない。