愛情の鎖


「うわ、私こういうとこ来るの初めてなんですよね」


なんかワクワクする。

コウさんは洒落たとこじゃないなんていうけど、全然!中に入ると淡くセピアカラーに包まれた店内に、センスのいいインテリア。

お店の一番奥には洋画にでも出てきそうな本物のバイクが置いてあって、しかもロングカウンターの向こうには見たことのない洋酒がずらりと並んでる。

まるで想像していた所とは違う。

するとコウさんは入るやいなや慣れた様子で奥の方で作業するお店の人を見つけ、その人に向かって手を上げる。


「弦(げん)さんどうも、今大丈夫っすか?」

「おぉ、真白じゃねーか、こんな時間にめずらしいな。って、そこのお嬢さんは誰だよ」


そこには50代半ばぐらいのマスターがいた。

まだ時間が早いのかそれ以外の客はなく、弦さんと呼ばれたその人はちょうどテーブルを拭いているところだった。


「お前が女連れて来るなんて珍しいな。つーか明日は台風かよ」


そして弦さんは私をマジマジ見つめるとそんなことを言う。

この感じからしてどうやら二人は知り合い?ただの店主とお客との間柄ではなさそうに見える。