愛情の鎖


「で、コウさんには蒲焼きさんなんですね」


逆に奈々がコウさんに渡したもの。それは昔からあるあの蒲焼きさんらしい。

そういえば奈々はよく駄菓子を買って食べていた。

最近じゃコンビニにもよく見かけるし、それ以前にどうしてこんなやり取りをするようになったのかと尋ねれば、それは思いがけないきっかけなんだとか。

そもそも初めてコウさんがうちに刑事として挨拶をしに来たとき、奈々が「お姉ちゃんをよろしくお願いします」とコウさんに大事にしてたお菓子を渡したのが始まりらしい。

そのお返しにと、コウさんがいつも持ち歩いてる定番のミルクチョコレート何気無く渡すとその後も奈々の可愛らしい気遣いは続いたとか。

そんな感じで二人の物々交換が定着してしまったらしいのだけど、


「すみません。妹のお節介に付き合わせちゃって…」

「いや、姉思いのできた妹じゃねーか。それだけ梨央のことを心配してたんだろ?俺も普段駄菓子なんか買わねーから案外懐かしくて気に入ってる」

「ハハ」

「つーか、普段俺がこんなもの買ってたら似合わねーだろ」

「確かに。駄菓子ってイメージじゃないかも。あ、でもコウさんがいつも持ち歩いてるミルクチョコレートはけっこう意外だけど」

それに今回のチロルチョコもね?

どんな風に買ったんだろう。

そう思うとふふっと笑いが込み上げてくる。

それにつられるようにコウさんの口元も上がるから、何だか無性にコウさんが可愛く見えてしょうがない。