愛情の鎖


そして最初はまず動物園の方から回った。

あいにくパンダやコアラ、そういった貴重な動物はいなかったけれど、定番のキリンやゾウ、猿なんかは見れて私は終始上機嫌。


「あ、見て見てライオンの赤ちゃんがいる。水飲んでるよ、可愛い〜」

「そりゃ水ぐらい飲むだろ」

「あっちにはゴリラもいる。あの2匹は恋人同志なのかな?」

「よく見ろ、あれはどう見ても男同士だろ。そこの看板にもちゃんと書いてあるだろうが」


「…コウさん……」


私は不満げにコウさんを見上げた。


「さっきから人の細やかな感動を邪魔してません?」

「俺は本当のことを言ってるだけだ」

「可愛げがない大人は嫌われますよ?」

「悪いな。お前みたいに感動レベルが低くないんでね」

「ムカつく……」


ムムッと声を低くする。


「コウさんみたいな大人にはなりたくない」


たまらずそう呟けば、


「正直お前を見てる方が面白い。小動物みたいで」


そんな風に言われ、コウさんを睨み付けた。


「私は見せものじゃありません」

「俺にとっちゃその辺の動物よりよっぽど価値があるものなんだけど」

「……えっ?」

「ほら、行くぞ。アイス買ってやるから機嫌直せ」


そう言って手を捕まれた私は不意討ちをくらったように顔を赤らめた。


「ガキ扱いしないでください」


そう言いつつ、しっかりと繋がれた手がヤバイぐらいに嬉しい。
だってただ繋がれただけじゃない。

指と指どうしがしっかりと絡み合う、それは恋人同志の繋ぎ方だったから。