愛情の鎖


「私にはこの2週間まともに連絡さえくれのかったのに」


さらにムスッとした態度になってしまったのは言うまでもない。

だってさ、メールだってあの時の色気も何もない「しっかり歯を磨けよ」の一文だけ。

それ以外何もない。何もだよ。

それなのに奈々にはちゃっかり手土産まで買ってるってどういうこと?この差ってなによ。


「ふ、なんだ、焼きもちかよ」


なのにそんな私とは対照的にコウさんはそんなことを言う。

シートベルトを付け終わるやいなや面白いものを見るかのように顔を覗き込んでくるから、私は思わず「違うわよ」と突っ込んでしまった。

コウさんの顔をまともに見られない。


「安心しろ、お前にもちゃんと同じものを用意しといたから」

「別にそう言うことじゃ……」

「しかもお前のやつの方が沢山入ってるぞ」

「たがらそう言う問題じゃっ……」

「梨央」


急に低い声で呼ばれ、思わずビクッとする。恐る恐る顔を上げると目の前の顔が真剣なものに変わっていき、動きが止まる。


「連絡遅くなって悪かった」

「えっ……」

「ずっと連絡しなくて悪かったよ」


突然そんなことを言うもんだから驚いた。

そしてゆっくり目線を合わせると、思いのほか真剣な視線とぶつかり、思わず心臓が跳び跳ねそうになる。