コウさん…
そんな事実にまたしても目を見開いた。
「コウさんがそんなことを……?」
まさかうちの親に会いに来ていたなんて。
でもまって、そうか……。1ヶ月ほど前っていったらちょうど私がコウさんの本当の自宅に救済された時。
死のうとした私を止めてくれて、力強く助けてくれた時だ。
「それからすぐよ。私達家族も安全な場所に避難させてもらってね。これから暫く24時間うちの刑事が私達を守りますって説明してくれて、その後も私達が不安にならないよう、何度も梨央の状況をしっかり教えてくださったの」
「………」
もはや言葉が出なかった。
まさか彼がそんなことまでしていてくれたなんて。
彼の予想だにしない行動を把握して途端胸が張り裂けそうになる。
「とても親切な人ねぇ。そして素敵な人。あんな人が側にいたらいくら普段真面目な梨央だって好きにならずにはいられないわよねぇ?」
「えっ?」
「ふふ、隠さなくてもいいわよ。好きなんでしょ?あの人が。ていうより実際あなた達二人ってそういう関係なんじゃないの?」
ギクリ、母を見た。
もしやバレてたの!?
ていうか、その何でも知ってます的な顔は何?
母の顔が興味深いものに変わり、ゾッと私は母から視線を反らす。



