愛情の鎖


どうしよう、私ってこんなに甘えたがりだったっけ?
自分でも驚くほどの変わりよう。
でも一度火が付いた気持ちは止められない。

それが例えいけない恋だとしても、もう後戻りはできないもん。

そんな風にコウさんのキスを受け止めていたけれど、暫くして唇を離したコウさんが何故かそのまま私を優しく抱きしめた。


「ふっ、夢中になりすぎ」

「っ…」

「もう遅い、このまま寝るぞ」


やっぱり今日も何もなさそうだ。

私は名残おしい気持ちを隠しつつ、コウさんの腕にそっと寄り添う。

コウさんの意思は思いの外頑丈そうだ。


「あのっ、手を繋いで寝てもいいですか?」


いつもと同じことを言ってみた。

それは毎晩私がお願いしてることで、

だって、コウさんの手の温もりが好きだ。私だって別にそんなにガッついてるわけじゃないもん。
ただ浮かれちゃって、先走っちゃっただけで…


「どうぞ、ご自由に。とか言って夜中に襲うなよ」

「お、襲いませんよっ」


と言いつつ、ぎゅっとコウさんに抱きついた。もちろん手も握ったまま彼の温もりに大胆に癒されてみる。