愛情の鎖


「あ、あのっ、くすぐったいです!」

「だろうな」


そう言いながらコウさんは意地悪く私の素肌を撫でてくる。
しかも胸には際どく触れてこない。脇腹やお腹、その周辺を焦らすように触れてまるで楽しんでいる感じがする。


「もうっ、からかわないでください」


たまらず振り向くと、当たり前だけど至近距離でコウさんと視線が絡み合った。

その瞬間息を飲んだように、その眼差しにロックオン。
まるでその鋭い視線に捕らわれてしまったようで、


「ふっ、なんつー間抜け面だよ」


何も言えなくなった私は無言のまま息を殺す。

するとコウさんの手が私の頬に上がった。そのままひと撫ですると、滑らすようにこめかみに指が移動する。


「もしかして誘ってんの?」

「…そ、そんなつもりは……」


ないんだけど、こめかみから首筋を撫でるコウさんの手が気持ちよすぎて思わずこの先を期待してしまう。

まるで猫や犬を撫でるようにやんわりと癒されてるみたい。
いいなこの感じ、このままキスしてほしいなって思ったらやっぱり変なのかな?