「そうですね。正直不安じゃないと言ったら嘘になりますけど、…でも、今はコウさんや唯さん達が居てくれているのであまり乱れたりはしてないです」
私は少し間をおいてそう言った。
「そっか、ならいいんだけど…、正直ね、心配してたのよ。この前あんなことがあったでしょ?普通あんな危険な思いをしたら誰だってトラウマになって情緒不安定になりやすいから」
「……はい」
確かにそうだと思う。
正直今一人だったら私はきっとこんな風に笑ってはいない。きっと恐怖で怯えてた。
だけど私にはコウさんが側にいるから…
彼が夜になると私を一晩中抱き締めていてくれるから不思議と気持ちが落ち着いている。
大好きな人の温もり、そして不器用な優しさに触れて私は驚くほど安定した気持ちでいられてる。
「晃一もすごく心配してたからねぇ〜」
「えっ、コウさんが?」
「そうよ〜、梨央ちゃんが熱で寝込んでる間ろくに寝てないんじゃないかしら?ずっと梨央ちゃんにつきっきりだったし、珍しく不安そうにしてたから」
そう言った唯さんは何故か楽しそう。
その時の事を思い出してるのか、頬が面白そうに緩んでる。



