「なんか晃一変わったわね」
「えっ」
「よっぽど梨央ちゃんが可愛いのかしら」
唯さんが意味深な発言をしながら私に耳打ちをする。
「晃一って普段他の人間には驚くほど無関心なのよ。それが梨央ちゃんのことになるとあんなにむきになって」
「えっ、でも…、あれってただ単純に西田さんとじゃれあってるだけなんじゃ…」
「そんな風に思ってるのはきっと梨央ちゃんだけよ。だって最近の晃一は前より機嫌がいいみたいだもん」
「はっ？」
……機嫌が、いい？
「…そう、ですかね？」
その言葉に目をパチパチさせて唯さんを見た。
別にいつもと変わらないように見えるけど…
「うん、なんだか雰囲気がどことなく柔らかいっていうか、そうねぇ、うーん、ああ見えて晃一も普通の男だったっていうのかなぁ？」
「おい、そこまでだ。これ以上変な詮索するなら今すぐ追い出すぞ」
そこへ不機嫌な顔したコウさんが話に割り込んできた。
何故か眉間に眉をシワを寄せ、唯さんをジロリと睨んでいる。
