愛情の鎖


「いってぇ〜〜」


直後西田さんの力が緩み、彼の苦痛な叫びがリビングが響き渡った。


「西田、お前いい度胸してんじゃねーか」

「コ、コウさん!?急に何するんですか!?」

「お前こそ何してる?」


間髪入れずそう返された途端、西田さんの喉仏がゴクリと上下に動いた。
コウさんの片手にはぐしゃりと握りしめられた凶器にも似た新聞紙の塊。


「誰がこいつに抱きついていいって言った」

「えっ……」


何故かコウさんのオーラが凄まじい。いつになく鋭い眼差しに私までもビクついてしまいそう…
その証拠に西田さんの表情がどんどん青ざめていくのが分かる。


「コウさんまじっすか?」

「あ?」

「……いや、今のは軽い冗談っていうか、梨央ちゃんが可愛かったからつい…、決して悪気はないっていうか…」

「冗談だからって何やってもいいってか」

「………いえ」


西田さんは慌てて私から離れた。
まるで怯える子犬のように…


「梨央、無事か?」

「……はい」


そんな様子を鋭く見据えるコウさんが今度は私を呼んだ。

腕を掴み、私を素早く自分の胸へと引き寄せる。