「西田さん、今後も私の家族をよろしくお願いします」
深々と頭を下げると、西田さんが少し照れたようにはにかんだ。
「やめてよ。そんな改まれても…、俺は別にたいしたことはしてないよ。つーかこれが俺の仕事だから」
「でも西田さんがいなかったら今私はこんなに安心していられないです。本当にありがとうございます。すごく感謝してます」
顔を上げにこりと微笑むと、急に西田さんの顔が赤くなった。
そして私から視線をそらし、ポリポリと頭をかき始めると、
「あ〜もう!そんなに見つめないでよ」
そう言って突然私をぎゅっと抱きしめた。
「もう梨央ちゃん可愛すぎ!俺とろけちゃいそう。おじさんをそんなに煽らないでよ」
「きゃっ!!ちょっ、苦しっ……、西田さん急にどうしたんですか!?」
「だって梨央ちゃんが可愛すぎるんだもん」
えぇ〜っ!
アワアワと自分の耳を疑った。西田さんのキャラが暴走してる…
西田さんの手がわしゃわしゃと私の頭を撫でるから、私はパニック状態。
決して不快というわけではないけれど、どうしたらいいのかと慌てて彼の胸を押し返そうとすると、
「おい、何してる」
どす黒い声が聞こえ、図上からパコーンと大きな衝撃を感じた。



