愛情の鎖


それから何事もなく出来上がったお好み焼きを二人で食べ終わると、それを見計らったようにピンポーンと、突然来客のチャイムが鳴った。


「来たな」

「……え?」


途端嫌そうな顔をしたコウさんに私は首を傾ける。


「かなり面倒くさいかもしれないが適当にあしらってくれ」


その言葉にあっと思った。コウさんがそんな言い方をする相手はきっと一人しかいない…


「こんちわーっす」


それから数分後、玄関先で元気のいい声が聞こえた。

チラリ顔を出すと、やっぱりそれは思った通りの人物。


「はーい、差し入れいっぱい持ってきましたよー。ほぉら梨央ちゃん見て見て、これ前に梨央ちゃん好きだって言ってたやつ、ほらこれも」


リビングに入るやいなや、一直線に私の側へと来た彼はやたら満面の笑みを向ける。

その笑顔はなつっこく、フレンドリーでとてもコウさんと同じ刑事だとは思えない。