「ばか力かよ……」
「う……」
「なんだ。あの2人がどうかしたのか?」
あえてそんな事を聞くと、梨央はさらに神妙な顔付きをした。
泣きそうではなかったが、瞳の奥がえらく雲って見える。
「旦那の浮気調査でもしてんのか?」
「へっ……」
「図星か」
「…あぁ……まぁ……」
「ふ〜ん」
気まづそうに視線をそらされ、俺は嫌みっぽく口の端を上げる。苦笑いを浮かべる梨央を見つめながら妙にこいつに構わずにいられない。
…すると、そんな俺達の状況に追い討ちをかけるように澤田達がさらに濃厚なキスシーンをかましだした。
またしても俺はけっとヘドを吐きそうになり、隣の梨央は無言のままそれを傍観していた。
「あの二人を止めなくていいわけ?」見かねて呟けは、梨央は再び俺を見つめ、感情のこもらない声で言った。



