愛情の鎖


「よぉ、起きたのか」

「コウさん!」


そこから現れたのはずっと探していたコウさんだった。

よかった。夢じゃない。

その姿を目にした瞬間私は素早く駆け寄り、安堵したようにコウさんの体に抱きついた。


「よかった……」


安心したように声を出せば、何故か頭上からポタリと水滴が落ちてきた、ような気がした。

思わず見上げれば、少し目を見開いたコウさんが私の行動に少し驚いてるようだった。

だけど、それは最初だけ…


「なんだ、朝から積極的だな」

「えっ」

「もしかして誘ってんの?」


そう言ってニヤリと顔を近づけてくる。

何故か片腕を背中に回されて、私の動きはロックオン。

するとポタリ、再び水滴が落ちてきたような気がした。

今度は額に、そして頬に。間違いなくそれを感じると、私はハッとしてコウさんの姿をまじまじと瞳に焼き付ける。