「…ごめ、なさ……」
ああ、私は何をやってるんだろう。
最低だ。コウさんに向かってこんなものを向けて。
できるわけがない。
コウさんを撃つなんてどうしたらできるのだろう。
だから自分が死のうとした。
何もかも捨てて、全ての苦痛から逃れたくて。
誰も傷付けたくなかったから、自分を犠牲にしようとした、それなのに…
「…もう、何を頑張ったらいいのか分からない……」
泣きながらその場に力なくしゃがみこんだ。
拳銃が手元から離れ、そのあと彼の手によって素早く奪われる。
いっそ殺して欲しかった。
あの時、宗一郎さんに力のままに息の根を止めて欲しかった。
あのまま彼の手で殺してくれればよかったのに。
そうしたらこんな、
こんな生き地獄なんて味わうことなんてなかったのに…



