もう疲れてしまった。
何もかもが真っ暗に見える。出口のないこの地獄から解放されるなら、死ぬのなんて怖くない。
むしろこの苦しみから逃れられるなら、私はきっと救われる。
もう完全に心が壊れてしまった。
誰も幸せになんかなれない。
宗一郎さんがいる限り私の絶望は果てしなく続く。
はなっから私を手放す気がないのを知った今、
どんなにもがいてあがいても、あの人から与えられる苦しみからは逃れられない。
だからもう終わりにしたい。
「次に生まれ変わる時は人間じゃなく、自由に空を飛び回れる鳥がいい」
誰にも邪魔されず、誰にも気を使わずに自由に生きる。
好きな時に寝て、好きな時に歌う。歪んだ愛情に縛られないまっさらな世界でのびのびと生きたいと思う。
ーー…ガチャリ。
私は目をつむり拳銃の引き金を引いた。
「ごめんね、お父さんお母さん」
そして
「さようならコウさん……」
お願い、もう許して。
どうかこの地獄から私を解放させてください。



