「ただし、1つだけ条件がある」
「えっ……」
「この写真の男を始末してほしい」
そう言ってスーツの内ポケットから取り出し、手渡してきた写真を見た瞬間自分の心臓が一瞬で凍りついた。
えっ……
「この男なんだが、なかなかの曲者でね。最近やたらと俺らの周りをかぎまわってるみたいで正直鬱陶しいんだよ。そろそろこのハエをどうにかしないとと思っててね」
「………」
「梨央、君ならできるよね?」
意味深に微笑まれ、全身の血の気がひいていく。
うそ…
だって……
「君ならこの男に近づくのは簡単だろう?」
そう言って宗一郎さんが私に向かってサラリと頬を撫でる。私は驚愕のあまり声すら出せなかった。
「いつものように、この屋上から会いに行けばいい。俺がいない隙に目を盗んで会いに行くことぐらい君ならできるだろ?むしろ得意なはずだと思うけど」



