「へぇ…、それは興味深い心情だね。好きでもない男…、そんな男に抱かれて梨央はずっとあんなに感じていたんだ。下半身をあんなにいやらしく濡れさせて……」
「ちっ……」
「自分から俺のものを求めてきたじゃないか。その口で何度も俺のものを咥えて離さなかったよね」
「ちがっ…!」
私は拒絶の意味を込めて顔を横に振った。
あんなの自分の意志じゃない。
本当はずっと拒みたかった。だけど弱い立場の私はそうするしかなかった。そうしないといけないと思っていた。
「…家族を守りたかったの……」
父も母も妹も…
みんな私が助けてあげたかった。
私さえ我慢すれば皆が前みたいに幸せに笑い合えると思ってたの。
だけど、もう…
「終わりにしたい」
それももう終わりにしたい。
私の我慢は全部無意味だから。
どうせ家族が苦しむことになるのなら、私は家族と一緒の苦しみを選ぶ。
大好きな家族の元へ帰れるのなら、みんなと供に喜んで地獄に落ちる覚悟はできている。



