愛情の鎖


じゃないと何のために今まで我慢してきたのか。もうこれ以上彼の言いなりになるのだけは嫌だった。

どうせ母との約束なんて守るつもりなんてないのだろう。

それを裏付けるように宗一郎さんは今まで母との関係を私に隠してた。最初っから私を解放するつもりなんてないに決まってる。


「もう気がすんだでしょう?お願いだから私達家族を解放してください!お金なら少しづつこれからきっちり返しますから、できるなら母と、私とも別れてください!」


必死な思いで頭を下げた。

そうやって強く言葉にすれば、もしかしたらどうにかなるんじゃないか。状況がいい方向に流れるんじゃないかと勝手に期待した。

だけどその直後怖いほどの沈黙が私達の間に流れた瞬間、すぐにハッとした。

言ってしまった。

取り返しのつかないことを…

すぐにそう思ったけれど、感情的になった言葉は私の本心でずっと心の奥底に閉じ込めていたもの。もう、

後戻りは出来ない……