愛情の鎖


そんな雰囲気の中ふぅーと空に向かって煙を吹かすコウさん。

少し離れた場所からでも分かる真っ直ぐな鼻筋に端正なイケメンフェイス。

きっとモテるんだろうなぁ。

そう思いながらもゴクリと最後の一口を喉の奥に入れた私は、ほろ酔い気分で夜空を見上げた。


ま、私には関係ないけど……

目を閉じながらゆっくり今度は目を閉じた。

そしていつものように空に向かってリズムを刻んでいく。


ああ、今日は何だか気分がいい。

夜の空気を感じながらそっと声を鳴らし、自然と気持ちも軽やかになる。


私の大好きな曲。

「アメイジンググレイス」を口ずさんでいくと、コウさんの真っ直ぐな視線を感じたような気がした。

いや、きっと気のせいじゃない。

だってコウさんは…



「もっとお前の歌聞かせて?」



それが2度目に会った時の言葉。彼は私の歌を好きだと言ってくれる唯一大切な理解者なのだ。