愛情の鎖


きっとこれから本当の地獄が待っている。

そう確信しながら私はただ窓の外だけを眺めていた。

宗一郎さんへの怒りだけが増えていく。

確かにお金を借りた両親が悪い。だけど何の権利があって私達家族をそこまでして追い詰めなければならないのか。

それがどうしても許せなかった。

そして分かったことが1つだけ。

きっと初めから宗一郎さんは母を見ていた。

本当に欲しかったのは私ではなく母だったのだ。

もしかしたら私を通してずっと母の面影を見ていたのかもしれない。

ずっと欲しかった母の温もりを。

だから何も感じなかったのだ。

彼がいくら私に優しくしても、色んな物を与えてきても何も感じなかった。むしろ苦痛になるばかりで……、

果たしてそこに私への愛情なんてあったのだろうか?

そう疑問に思ってしまうほど、宗一郎さんへの不信感が募っていく。