愛情の鎖


そんな私がどうしてかコウさんには普通に接することができている。

それはこの半年で彼が私の「敵」ではないことが分かってきたからなのか。

なにより一番大きい理由は彼が宗一郎さんとはまったく関係ない人だということが分かったからかもしれない。


「ずっと晴れてくれればいいのにね」


私も雨は嫌いだ。

昔から雨が降るとあまりいいことがなかったし、宗一郎さんに買われた日も大雪から次第に激しい雨に変わったから尚更毛嫌いしてしまう。


「雨だと此処でビールが飲めなくなっちゃう」


唯一私がくつろげる場所なのに。

それができなくなってしまうのは今の私にはけっこうなダメージだったりするのだ。


「なんだ、そんなに俺に会いたいのか?」

「あはは、ないない。逆にコウさんの方が淋しいんじゃないの?」


むしろそっちの方が私にちょっかいかけてくるくせに。

私がべっと舌を出すと、コウさんも嫌みったらしい表情で口の端を上げた。