愛情の鎖


だけど本当にここ数日、宗一郎さんとはセックスはしてなかった。

不思議なことに、コウさんと思いを通じあってからのこの数日、彼と……、宗一郎さんとはそうなるタイミングがなかったのだ。

むしろ奇妙なことに、宗一郎さんから求められなかった。

それは宗一郎さんの単なる気紛れなのか、それとも他で思いっきり発散できる場所をみつけたからなのか。
正直私にはよく分からない。

だけど確実に言えるのは、前より宗一郎さんの私への興味が少し薄れてきたのかもしれないという、ささやかな希望。

今付いてるキスマークの跡だって、2日前、ベロベロに酔って帰ってきた宗一郎さんが眠る直前、唖然とする私に機嫌よく付けたものだ。

付けるだけ付けて、彼はそれ以上のことはせず、そのままあっさり寝てしまった。

だからホッとした。

正直驚いたが、あの時、最後まで求められなかった事実に私は今までにないぐらいホッとしたのだけは覚えてる。