「なんかムカツク……」
「何がだ」
「私、コウさんに手のひらでコロコロと転がされてる気がする」
なんかしゃく…
どーせなら転がされるより、転がしたい。
そう思ってしまうのは、やっぱり私がまたガキっていう証拠なんだろうか?
「あ?それを言うならこっちだろ?」
「えっ」
「ここ数日お前に振り回されてる俺の身にもなってみろ」
と、どこか腑に落ちない様子のコウさん。
「つーかお前、それはわざとか?」
「え?」
「そんな所にあからさまな痕なんて付けやがって……」
コウさんの顔が突然不機嫌に変わる。そしてその直後私の髪をくしゃくしゃと乱暴に乱す。
しかも今しがた自分で整えた私のカーディガンを再びスルリと剥ぎ取ると、何を思ったのか私の体をそのままひょいっと担ぎ上げたのだ。
「俺が気づいてないとでも思ったか?」
「へっ?」
「つーか、胸くそがわりぃ。俺を振り回すのも大概にしろ」
ズカズカと足を進めたコウさんが、私をソファーの上に強引に降ろす。
そのままトンっと後ろに押すと、私の膝の上に股がり、有無を言わせず覆い被さってくる。



