愛情の鎖


「コウさんのことがもっと知りたいの」


だってまだ何も知らない。じゃないと始まるものも始まらない。


「コウさんのことを色々教えてほしい、です」


私は少し改まってそう言った。
もっと知りたいなんて、結構大それた発言だと思いながらも、このまま何も知らないほうがもっと嫌だ。


「ふーん、色々ねぇ……」

「だって私、コウさんのこと何も知らないんだもん」

「やけにエロい響きだな」

「えっ」

「そんなに教えて欲しいならベッドの中で手取り足取り、今からお思う存分教えてやろうか?」


ドキリと顔が熱くなる。

ベッドの中で……、なんていう台詞を聞いて今この場で平然と対応できる人なんているのだろうか?


「ほら、来いよ」

「えっ……」

「言っとくが今日は吐くなよ」

「っ……」


顔、怖いんですけど…

その笑顔に含まれてるものは何?

じりじりと近付いてくる恐ろしさに、私はぞっとしながら後ずさり。