愛情の鎖


「コウさんに会いたいな……」


思わず唇からこぼれ落ちる。

あの衝撃的な告白から数日、

昨日も会ったばかりなのに、正確には今日の朝方まで一緒にいたはずなのにまた会いたくて仕方がない。

完全に溺れてる。

コウさんに、あのぶっきらぼうの優しさに。

今は側にないあの温もりを思い出して、私はやんわりと自分の体を両腕で抱き締めた。

そして暫くして、テーブルの上から自分の携帯を手に取った。



"もう少ししたら行くね"



そうコウさんへのメールを送信しようとして、ふと…、手が止まる。


でも……、でもさ。

本当にこれでいいのかな?

コウさんと思いが通じあって嬉しい半面、言いようのない不安も押し寄せる。

これからどうなるんだろうという思いが身体中を震わせるのだ。


なにせあの宗一郎さん。

あの極悪非道の宗一郎さんを前にして、物事が簡単に上手くいくとは思えない。


『とりあえず、お前の旦那のことは俺がどうにかしてやる。だからもう少しだけ待ってろ』


あの後、こうさんから言われた心強い言葉。

長いキスの後、彼はそう言ってまたあのたくましい腕の中に私をぎゅっと閉じ込めたのだ。