愛情の鎖


「……会いたい、です……」


……だから、今度は私からしっかりとコウさんを見て言った。

気持ちが前に広がっていく。

今までの重い気持ちが嘘みたいに軽くなっていく。


「私だって、コウさんに会いたい」


会いたくないわけがない。

本当はずっと…

ずっとずっと私だってコウさんに会いたかった。

コウさんと話したかった。

宗一郎さんがいたこの一週間、私は本当に苦痛だったんだ。



「コウさんが好き、です」



もうブレーキが効かない。

その手に触れたい。

その胸にしがみついてしまいたい。

そう思ったら最後、



「ごめんなさい。ダメだって思っても、明日もコウさんに会いたい、です」


そう言ったまま俯いた。

思わずコウさんに抱きつきたくなる衝動を堪え、目をぎゅっと閉じれば、さらに色濃くなったコウさんへの思い。

彼の熱い視線を身近に感じる。

苦しいほどの痛み。

その気持ちが伝わったのか、そんな私の思いに応えるよう手が伸びてきて、そのまま躊躇なく右手で背中を引き寄せられた。

瞬きする間もなく、それから両手で一気に抱きすくめられると、このうえない幸福が私を包み込む。